2020-01-20

デマンドジェネレーションとは? 意味やメリットなどを徹底解説

BtoB 営業・マーケティング コラム

「営業リストを使って営業をかけているけど、中々新規顧客を獲得できない」

BtoBの事業に携わっている方は、上記のような悩みを抱えることがあるかと思います。BtoBのビジネスでは、慎重に利便性やコストパフォーマンスなどを検討した上で購買に至るため、見込み客に商品やサービスを購入してもらえないケースは多々あります。

そんな難しいBtoBの営業で近年注目されているのが、「デマンドジェネレーション」です。今回の記事では、デマンドジェネレーションの意味やメリット、プロセスなどをくわしく解説します。

デマンドジェネレーションとは?

デマンドジェネレーションとは、購買意欲の高い見込み客(リード)を獲得・育成し、その後の営業活動につなげるマーケティング手法です。

BtoBのビジネスでは、強い購買意欲を持つホットリードを営業部門に受け渡す目的で、デマンドジェネレーションを活用します。営業部門は、マーケティング部門がデマンドジェネレーションにより作った営業リストを基に、営業をかけていきます。

デマンドジェネレーションを行うメリット

デマンドジェネレーションを導入すると、下記2つのメリットを期待できます。

質の高い営業リストを作成できる(新規顧客を獲得できる可能性が高くなる)

デマンドジェネレーションを行う最大のメリットは、質の高い営業リストを作成できる点です。

一般的にBtoBのビジネスでは、展示会やイベントで名刺交換などをして得られた情報を基に、見込み客に対して営業をかけます。しかし実務の現場では、せっかく見込み客を得られても、収益化のチャンスを最大限活用できないケースが多々見受けられます。

たとえば購買意欲の低い企業に重点を置いて営業したり、同一の見込み客に対して同じメールを何回も送ってしまうことで、収益化のチャンスを逃してしまうケースが最たる例です。また、人員が不足しているために、見込み客に対する営業を十分に行えないこともあるでしょう。

一方でデマンドジェネレーションでは、顧客リストを営業部門に渡す前に、見込み客の購買意欲を高める(育成する)活動や、特に購買意欲の高いホットリードの絞り込みを行います。

そのため、より質の高い(購買意欲の高い)営業リストを作成できます。購買意欲が高い見込み客しか載っていない営業リストを活用するため、新規顧客を得られる可能性が高くなります。

営業部門の労力を削減できる

デマンドジェネレーションでは質の高い営業リストを作成するため、営業部門の労力削減にもつながります。

たとえば通常の営業リストを使った場合、100社に営業してようやく1~2社が新規顧客になるとしましょう。デマンドジェネレーションにより質の高い営業リストを活用すれば、半分の50社への営業で1~2社の案件化に成功できる可能性があります。

上記はあくまで一例ですが、このようにデマンドジェネレーションの活用は、収益面のみならず営業部門の負担削減という観点でもメリットがある手法です。

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デマンドジェネレーション実施のプロセス

デマンドジェネレーションは、「リードジェネレーション」→「リードナーチャリング」→「リードクオリフィケーション」という3つのプロセスで実施されます。この章では、各プロセスの概要をくわしくご説明します。

①リードジェネレーション

リードジェネレーションは、「リード(見込み客)」と「ジェネレーション(発生)」が組み合わさった用語です。

つまりリードジェネレーションとは、見込み客を発生させる(獲得する)活動を指しています。具体的にいうと、展示会やイベントなどで見込み客と交流し、メールアドレスや電話番号などの情報を得ることをリードジェネレーションと呼びます。

デマンドジェネレーションにより質の高い営業リストを作成するには、リードジェネレーションの段階で、自社製品やサービスに関心を持ちそうな見込み客を見さだめることが重要です。関心の薄い相手の情報を集めても、収益につながりにくいため非効率です。

そのため、まずは自社製品やサービスに関心を持つ見込み客を見極めなくてはいけません。

②リードナーチャリング

リードナーチャリングは、「リード(見込み客)」と「ナーチャリング (育成する)」が組み合わさった用語です。

つまりリードナーチャリングとは、獲得した見込み客を育成する活動を意味します。具体的には、自社製品の情報や課題の解決につながる有益な情報を伝えるなどして、見込み客の購買意欲を高めます。質の高い営業リストを作成できるかを左右するため、デマンドジェネレーションの中でも特に力を入れるべきプロセスと言えます。

リードナーチャリングでは、リードジェネレーションで得た見込み客の情報を、効率的に管理することが重要です。お問い合わせフォームから得られた見込み客の情報はWord、名刺交換で得られた見込み客の情報はExeclという形で、見込み客の情報をバラバラに管理すると、どこにどの顧客情報があるか把握するのが難しくなります。

少しでもリードナーチャリングの手間を削減するためにも、見込み客の情報は一つのツールで一元管理することが重要です。

③リードクオリフィケーション

デマンドジェネレーションの最後に行うのは「リードクオリフィケーション」という活動です。具体的には、育成した見込み客の中から、とりわけ購買意欲が高いホットリードを選別します。

一般的にリードクオリフィケーションでは、「スコアリング」という手法が利用されます。具体的には、見込み客の行動(お問い合わせ頻度や資料請求の有無など)にそれぞれ点数をつけて、その合計点で購買意欲の高さを測定し、ホットリードを抽出します。

リードクオリフィケーションのプロセスで購買意欲の高いホットリードを見定めることができるかが、その後の営業活動を左右します。購買意欲の高いホットリードを抽出できれば、その後の営業で効率的に収益を得られます。したがって、ホットリードの見極めに直結するように、見込み客の行動に点数をつける必要があります。

デマンドジェネレーションのプロセスで利用する手法

最後に、デマンドジェネレーションの各プロセスで役に立つ手法をご紹介します。

リードジェネレーションの手法

リードジェネレーションでは、主に下記の手法を利用して見込み客を得ます。

  • 展示会やイベントでの名刺交換
  • Webサイトの資料請求・お問い合わせ
  • 営業リストの購入

展示会やイベントは、手間やコストこそ発生するものの、購買意欲の高い見込み客を短時間でたくさん得ることに向いています。Webサイトは継続的かつ安定して見込み客を得られますが、効果を得られるまでに時間がかかります。そして営業リストの購入は、自社に適した見込み客のリストさえ見つけられれば、質の高い顧客を簡単に得られる手法です。

リードナーチャリングの手法

リードナーチャリングでは、主に下記の手法を利用して見込み客を得ます。

  • ダイレクトメール(郵送やFAXによるカタログ等の送付)
  • Webサイトによる魅力的なコンテンツ記事の掲載
  • メルマガの配信

ダイレクトメールは、印刷や発送にコストがかかるものの、自社製品の魅力を詳細かつ分かりやすく伝えることができます。Webサイトによる魅力的なコンテンツ記事の掲載については、こちらも結果が出るまでに時間がかかるものの、継続的な見込み客の育成に役立ちます。そしてメルマガの配信は、手軽かつ一度にたくさんの見込み客に送信できるものの、情報をしっかり見てもらえない(メール自体を開封してもらえない)リスクが高いです。

リードクオリフィケーションの手法

リードクオリフィケーションでは、前述した通りスコアリングという手法を利用します。ただし正確に顧客の購買意欲を測定するには、マーケティングのセンスや、多変量分析などの統計知識が必要となります。そのため、多くの企業は「マーケティングオートメーション(MA)」というツールを使って、スコアリングを自動化しています。

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