2020-08-20
BtoB営業で実は見落としがちな郵送DMとは? 各種DMのメリット・デメリットを紹介
BtoB 営業・マーケティング コラム
BtoB商材を扱う企業にとって新規獲得は重要な指標の一つです。インターネット、スマートフォンの普及に伴い、マーケティングオートメーションやコンテンツマーケティングなど新たな手法が登場しています。このような新たな手法を導入してみたが思うように結果につながらないという方も多いのではないでしょうか。そこで本稿では、新規獲得に有効とされるダイレクトマーケティングや、BtoB営業に有効な手法に関してご紹介します。ぜひ参考にしてください。
ダイレクトマーケティングとは?
最初にダイレクトマーケティングとはなにかをご紹介します。従来のマス・マーケティングは、TVCMやバナー広告など活用して企業から多数のターゲットに向けて一方的にコミュニケーションを行う手法でした。しかし、それに対して、ダイレクトマーケティングは企業が顧客それぞれに対して個別に直接コミュニケーションを行うものです。具体的な手法としては、ダイレクトメール(DM)やリコメンデーションなどがあります。ダイレクトマーケティングのメリットは、顧客それぞれのステータスを分析した上でコミュニケーション行うため、費用対効果が高いという点です。顧客のビジネスサイズや業界、サービスへの興味関心度によって伝えるメッセージなどを変更できるため、他の施策に比べ見込み顧客を獲得できる可能性が高まります。
ダイレクトメールとは?
ダイレクトメール(DM)とは、ダイレクトマーケティングの手法の一つであり、顧客に対して直接メッセージを送る手法です。サービスや商品、キャンペーンの実施について購入意向が高い顧客やすでにサービスを一度購入してくれた層に対してコミュニケーションができるというメリットがあります。送付方法は、郵便やEメールなどがあり場合によって使い分けをする必要があります。郵便DMとEメールDM双方のメリットや違いを把握た上で実施すれば高い効果が期待できます。
Eメール
Eメールの一番のメリットは、コストをかけずに利用できることです。送信料がかからないため、メールアドレスを入手するだけで、メール本文を作成すれば送信可能です。また、現在マーケティングオートメーションの仕組みとして顧客のステータスを分析し、自動で送付するという例もあり、多くの企業が利用をしています。またデジタル上のため、開封率やレスポンスなども計測しやすいといったメリットがあります。
しかし、現在多くの企業がメールを送付しており顧客は多くのメールを受信しています。ビジネス実態調査では、一日の平均受信件数は38.07件という結果がでており、皆様の経験でもこれよりも多いと感じている人も多いのではないでしょうか。このように大量のメールの中で、ダイレクトメールが埋もれてしまう可能性や人によっては迷惑メール設定やフォルダ分けで目に入ることがないかもしれません。
また、Eメールを送るには、メールアドレスを取得する必要があります。そのために展示会での名刺交換やホワイトペーパーのダウンロードフォーム、お問合せフォームなどを通して入手する場合が多いかと思います。しかし、このような方法で入手できる情報は現場担当者レベルのアドレスであることが多く、BtoB営業に有効な部門責任者レベルの連絡先の入手は困難です。
これらの懸念は、中堅・中小企業に比べ、大手・エンタープライズ企業を対象とした場合に特に大きくなります。
このようにEメールを活用したDMは、手軽さがあり、測定しやすいというメリットがある一方で、もっぱら現場担当者向けにしか送れない、他のメールに埋もれてしまう可能性があるというデメリットがあります。
【参考】一般社団法人日本ビジネスメール協会:ビジネスメール実態調査2019
郵便DM
郵便DMとは、はがきや封筒を活用し顧客に郵便で送信するDMです。Eメールと比べて、郵便料金やDMの制作費などがかかるためコストがかかるというデメリットがあります。
しかし郵便DMの場合、はがきや封筒に印刷したものを送ることになるため、Eメールと比べて、レイアウトの自由度からデザイン性が高くより多くの情報を伝えることが可能になります。また、デザイン性の高さは受け手の第一印象に影響することから、文章を主体に意味を伝えるEメールと比べ、視覚全体に訴求し内容をより感覚的にインパクトを持って伝えられます。
郵便DMのデメリットとしては、開封率が低い・確認できないという事がよく言われます。しかし、郵便DMの場合は開封をしなくても、封筒自体にも印刷可能であり開封をしなくても一定のメッセージを伝えることが可能で、透明封筒ならアウトライン情報程度の内容が開封なしに目にしてもらえます。また宛名入りのDMであれば開封・閲読されたのは74%と高い閲読率になっています。このように、一般的には開封率が低いというデメリットがある一方、開封しなくても伝えられるというメリットがあります。開封率の低さも対応策があるほか、インパクトをもったデザインを制作することで多忙な部門責任者などにもサービスについての情報を伝えることが可能です。
また、郵便DMの場合、企業の住所が分かれば送付できるため、営業リストなどの活用により部門責任者や担当者の名前を入手できれば、Eメールと同様に個人向けにDMを送ることが出来るというメリットがあります。くわえて、個人名宛に送る事により通常の郵便物と同じような扱いで開封されたり閲覧される可能性が高まります。
郵便DMは、コストがかかるというデメリットがある一方、開封されなくても一定の内容が目にしてもらえるなど、短時間で意図を伝えられるというメリットもあります。
【参考】一般社団法人日本ダイレクトメール協会:「DMメディア実態調査2018」調査報告書要約版
エンタープライズ層向けには郵便DMがおすすめ
BtoBの新規開拓はBtoC商品と比べて交渉期間が長いほか、顧客企業の担当者一人だけでなく、他のレイヤーでも検討が必要となりがちです。そのため新規開拓に向けては現場担当者だけでなく、部門責任者レベルのマネージャーへの営業も必要になります。一方でEメールでの営業では、マネージャーレベルになるほど、また顧客企業がエンタープライズ層であるほど、受信するメール数が多くなり送ったメールが埋もれてしまう可能性が高まります。そもそも連絡先の入手自体が難しい場合も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、部門責任者の情報を含んだ営業リストを活用した郵便DMです。部門責任者の情報を含んだ営業リストでは、企業情報だけでなく個人名が明記されています。また、はがきや透明封筒を利用すれば開封されずとも一目でメッセージを伝えることができるため、時間がない部門責任者でも閲覧してくれる可能性が高まります。エンタープライズ層向けでも、宛先に個人を指定した郵便なら「○○株式会社御中」といった「御中DM」とは違いお手元まで届けられます。今まであまり郵便DMを利用されなかった皆様も、責任者宛てDMの施策を検討してみてはいかがでしょうか。