2022-08-19

マーケティングで個人アドレス宛に電子メールを送付する際の注意点

BtoB 営業・マーケティング コラム

多くの企業がBtoBマーケティングでオンライン施策を強化する昨今、リードジェネレーションないしナーチャリングの手段としてメール送信を積極化する企業が増えています。筆者にも日に50通を超えるメルマガ等の販促メールが送られてきており、ここ数年で急増した印象です。

本稿では、広告宣伝メールを個人アドレス宛に送付する場合の注意点について解説します。

個人メールアドレスの主な収集方法

現在は、多くの企業がオンラインマーケティングの中心にメール施策を位置づけており、メールアドレスの収集がオンライン施策の大きなテーマとなっています。メールアドレス収集は以下の手段が一般的です。

  • 訪問営業や会合時の名刺交換
  • 展示会やセミナー等で回収
  • オウンドメディアやホワイトペーパーの利用登録

オプトイン規制

収集したアドレスは、メルマガ等を含む広告宣伝メールの送信先に利用されますが、送信先に登録する際は「原則としてあらかじめ同意した者に対してのみ広告宣伝メールの送信が認められる」ことに注意が必要です。

これは「オプトイン」方式と呼ばれ、平成20年に改正された「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に定められています。

なんらかの経緯で個人メールアドレスを取得できた場合でも、本人の同意がなければ広告宣伝メールの送信は違法行為となるため、事実上、個人メールアドレスの収集は取得と同時に同意が得られる手法以外は採用しにくい状況です。

オプトイン規制の例外規定

とはいえ、名刺交換した先の企業から登録や同意をしたわけでもないのに営業メールやメルマガが送られてくるようになった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

同法の規定するオプトイン規制には、同意なしに送信することができる例外規定が設けられています。

  • 取引関係にある者に送信する場合
  • 名刺などの書面により自己の電子メールアドレスを通知した者に対して送信する場合
  • 自己の電子メールアドレスをインターネットで公表している者に送信する場合(広告宣伝メールの送信をしないように求める旨が公表されている場合を除く)

参照:日本データ通信協会「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」

名簿事業者が販売するメールアドレス

弊社は各企業が公表した異動情報をまとめた、部門別決済者一覧「ターゲットリスト」を提供しています。当商品に関するお問い合わせで多いものが「決済者のメールアドレスの掲載有無」です。上記のオプトイン規制の内容を鑑み、弊社リストには決済者のメールアドレスは掲載していません。

弊社では「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に違反することなく企業リストに個人メールアドレスを掲載することは不可等と判断しています。

また、いずれかの名簿事業者から個人メールアドレスが掲載されたリストが提供されていたとしても、適法に広告宣伝メールを送付するなら、送信者が同メールの送信前に送信先から同意を得なければならないため、個人メールアドレスを購入して広告宣伝メールの送付先とすること自体に無理があります。

まとめ

基本的に、適法に広告宣伝メールの送付先を増やすためには、アドレスの取得と同時に広告宣伝メール送付の同意が得られる手法を取らざるを得ません。

加えて、個人が対象となる施策では「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」だけでなく「個人情報の保護に関する法律」にも気を配る必要があります。

企業リスト等の外部情報は、広告宣伝メールではない別のアプローチ手段によるマーケティング活動に利用すべきです。

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